2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、東京都内のタクシー会社が外国人ドライバーの採用に力を入れています。急増する訪日外国人への対応に期待が高まる中、その奮闘ぶりを追いました。

 東京・文京区にある日の丸交通は訪日外国人により快適なサービスを提供するため、外国人ドライバーを積極的に採用しています。1年前の2017年7月時点では4カ国の5人でしたが、現在は11カ国23人まで増えました。

 英語・ドイツ語・日本語の3カ国後を話す、オーストリア出身のルガー・ウォルフガングさんは、4月にタクシー運転手としてデビューしました。ルガーさんは「もっと東京に詳しくなりたくて、タクシーの運転手になろうと思った。今は毎日が面白い」と語ります。外国人乗客とも自然な会話のキャッチボールが進み、行きたい場所を的確に把握するだけでなく天気の話題なども織り込み、スムーズなやりとりをするルガーさんに、お客さんも大満足です。乗車したアメリカから来た観光客は「英語で話してくれるからいろいろと聞くことができた。とても助かる。お客が何を求めているのか、どこへ行きたいか、日本語がしゃべれない外国人にとっては助かる」と感想を話しました。

 外国人観光客は日本のタクシーをどのように見ているのでしょうか。街中で聞くと「日本のタクシーは素晴らしい。とても親切で礼儀正しかった」(南アフリカから来た人)という声が聞かれた一方、「スマートフォンを見せて行き先を伝えた。ドライバーは全く英語が話せなかった」(香港から来た人)という声も聞かれました。

 急増する外国人への対応が求められる都内のタクシーですが、こうした中、タクシー運転手を目指し、少したどたどしい日本語で研修に励む2人の外国人の姿がありました。パキスタン出身のムハンマド・リハンさんは「日本のルールはすごく厳しい。難しい言葉もある」と語り、タクシー運転手になるためには勉強の毎日だと話します。

 都心でタクシードライバーになるためには、自動車運転の2種免許を取得するとともに、タクシーに関する地理とルールについての試験に合格しなければなりません。勉強方法について、アメリカ出身のグリトリンゲル・フランシス・カールさんは「分からない問題は全部日本語で書き出す。朝から夜まで勉強し、ある時は金曜日から月曜日まで毎日2時間しか寝られなかった」と話しました。一方、雇う側も外国人ドライバーに期待を寄せています。日の丸交通・人事総務部の大津一実課長は「タブレット端末など技術面で、言葉の問題はクリアできる部分があると思う。ただし接客、おもてなしは人間しかできないので、彼らに求めている点」と話します。

 タクシー運転手を目指す外国人に理想の運転手像を聞いてみると、グリトリンゲルさんは「頑張って日本人みたいなサービス、心で運転して、いい仕事がしたい」、ムハンマドさんは「日本のタクシーは世界の運転手と全然違うと外国人に教えたい。運転が上手で、安全とサービスがしっかりしているドライバーになりたい」と目標を語りました。

 とっておきのおもてなしを身に着けた外国人ドライバーが、新しい東京の顔になりつつあります。

みんなの反応

  1. 英会話が堪能だから心強い存在ですね

  2. つくづく思う

    何故神は国境に言葉を分けたんだ?

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